弁護士法人中部法律事務所の法律相談からご依頼までの手続きや弁護士費用等に関するよくあるご質問です。
遺留分とは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人が、相続財産の一定割合(直系尊属のみが相続人の場合被相続人の財産の1/3、それ以外の場合は相続人の財産の1/2×法定相続分)を取得し得る権利のことです。
例えば、(相続人が子2名の場合)被相続人の父が相続人の長男に遺産の全て1000万円を生前贈与もしくは遺言で相続させた場合、二男は長男に対 して遺留分減殺請求をすることで、相続財産の一定割合(1000万円×1/2×法定相続分=250万円)を取り戻すことが可能です。
相続の開始及び遺留分侵害行為となる贈与、遺贈があったことを知ったときから1年以内に、贈与・遺贈などにより利益を受けた者に対して、遺留分減殺請求の意思表示を行わなければなりません。遺留分減殺の意思表示は必ずしも訴訟によって行う必要はなく、訴訟外で相手方に直接遺留分減殺請求を行う旨伝えれば足ります。
しかし、遺留分減殺請求の意思表示を行う期間が定められており、いつ遺留分減殺請求を行ったのか争いになることがあるため、内容証明郵便で通知する等の方法により行うことが望ましいでしょう。
遺留分を侵害して特別受益が行われれば、遺留分減殺の対象となります。
遺留分減殺請求ができるのは、相続があったことおよび減殺するべき遺贈や贈与があったことを知った時から1年間です。
この期間を経過すると、遺留分減殺請求権は消滅してしまいます。また、このような事情を知らなくても、被相続人が亡くなった日から10年が経過した場合は、遺留分減殺請求権は消滅します。
相手方が遺留分減殺請求に応じない場合には、遺留分権利者は相手方の住所地または当事者の合意で定める家庭裁判所に対して調停を申し立てることができます。調停がまとまらない場合、相手方を被告として裁判を提起することになります。実務上では、調停を経ない訴訟提起も認められています。